【視野欠損】ステロイドパルス療法の体験談 ~ある日突然、左目の上半分が見えなくなった話~

私は昨年、夏休みの海外旅行中にある日突然視野が欠け、帰国してから入院することになりました。 

私自身、発症した時は目の病気のことは何も分からず、すごく不安でした。
こんな病気もあるんだ、と頭の片隅に入れていただけると幸いです。
特に、20代~50代の女性に多いそうです。

症状の経過

違和感を感じた日(旅行1日目)

一週間の旅行の1日目、
なんとなく視界に違和感を覚えました。
うまく表現できないけれど、左目と右目の光の感じ方が違うような感じです。
なんか変、と思いましたが、その時点では視野は欠けていなかったので特に深く考えていませんでした。

違和感を感じて2日目(旅行3日目)

左目の上のほうが少し見えていないことに気付きました。
ぼんやりグレーがかっている。。。
でも海外旅行中だし、あんまり騒いでも心配かけるだけだし、と思って気にしないようにしていました。

違和感を感じて3日目(旅行4日目)

左目の上半分が全く見えていない。。。
下半分は見えていたのですが、上半分はグレーのカーテンがかかっているような感じでした。
右目は見えていたのですごく困るというのではなく、
「ちょっと疲れてるのかな、放っといたら治るんじゃないか」と信じ、気になるけど気にしないようにしていました。

↓ イメージはこんな感じ。
f:id:exciting-sky:20190409095950j:plain:w300
Designed by Iconicbestiary

それから帰国まで

結局治ることはなく、軽減することもなく。
むしろちょっとずつ悪化しているような気も。。。

帰国した翌日クリニックを受診したのですが、大きい病院で明日診てもらったほうがいい、とのことでした。
その「明日」は、夏休み明け最初の出勤日だったので、仕事があるんですけど…と言うと、「えーー、こっちのほうが大事やと思うよ。そんなん言うてる場合じゃないと思うけど。」とクリニックのお医者さんに言われ、仕事を休んで大学病院で受診することにしました。

診断結果

視力検査をしたり、MRIを撮ったりして出た診断結果は
「視神経炎」

つまり、視神経が炎症を起こしている、ということでした。

原因

視神経炎になるものは主に3つあるとのことでした。

  • 原因不明のもの(特発性視神経炎): 約60%
  • 多発性硬化症          : 約30%
  • 自己免疫疾患          : 約10%

なんと、原因不明のものがほとんどなんですね。
でも、原因不明のもののほうが、再発しにくいそうです!突発的に「その時だけなった」という可能性が高いからです。
原因がはっきりしているものは、その原因で引き起こるものなので、再発する可能性が高いそうです。

治療

・原因不明のもの、多発性硬化症が原因のもの
ステロイドパルス療法(短期間でステロイドを多量に投与して炎症を抑える治療)

・自己免疫疾患が原因のもの
→血液浄化療法(血液中の自分の抗体が視神経を攻撃して炎症を起こしているので、その抗体をなくすために血液を浄化する治療)

私の場合、
MRIの所見から、多発性硬化症の可能性は低い。
原因不明のものである可能性が高いが、自己免疫疾患の可能性もあるので、
ステロイドの治療をして効果がなければ、自己免疫疾患と考えて血液浄化療法をする、と言われました。

そして入院へ

ステロイドパルス療法は短期間に多量のステロイドを投与するため、免疫機能が低下するなど身体への負担が大きい治療です。
なので、月曜日から入院してください(受診したのは金曜日)、と言われ、唐突に入院が決まりました(*_*)
入院中は、「奇跡の薬」だけど「副作用のデパート」とも言われている「ステロイド」を投与します。

治療期間としては、1週間~3週間とのこと。
1週間で1クール(3日間ステロイド点滴を投与し、4日間身体を休める)で、ステロイドの効果や症状の度合いを確かめながら、治りが早ければ1クールで終わるし、遅ければ3クール実施する、とのことでした。

私は、2週間(2クール)治療を行いました。

ステロイドパルス療法で、私の感じた副作用

ステロイドの治療では一番気になる副作用。
私が感じた副作用は、幸いあまり重いものではありませんでしたが、いくつかあったのでまとめさせてもらいます。

「身体のだるさ」と「舌の違和感」

午前中に入院し、初日からさっそく治療を開始しました。

点滴の針を腕に入れられて、ステロイド点滴を3時間くらいかけて落とします。
私の場合、これを3日間×2回。

点滴投与中に副作用(だと思います)として自覚したのは、「身体のだるさ」と「舌が苦い感じがする」でした。

ただ、入院しており安静にできるので、ゆっくりしていれば身体のだるさは特に問題ではありませんでした。

また、ステロイドの副作用として「味覚障害」もあるようで、舌に違和感を覚えたときはちょっぴり不安でしたが、点滴が終わると舌の違和感もなくなり、ごはんの味を感じなくなることもありませんでした。

不眠

これが一番悩まされた副作用ですね。

たぶん、ステロイドの副作用+環境の変化、のダブルパンチだったんだと思います。

目を瞑って横になってはいるのですが、なんだか寝てるのか寝てないのか分からず。
朝方4時くらいまで眠れないこともありました

眠れないときは睡眠薬を飲むこともできるようでしたが、薬に頼りたくなかったので飲みませんでした。

もうこれは気合いですね。
横になってるだけでも身体は休まるんだ、って言い聞かせたり、お昼間にちょっと仮眠を取ったり。
今日は寝れそう!というときはここぞとばかりに20時くらいから寝てみたりしてました。

生理不順

私の場合、もうすぐ来るはずの生理がいったん止まって、遅れました。

私は比較的周期的に生理がくるタイプで、生理になる前々日くらいから、そろそろ来そう、という前兆があります。

しかし、その前兆を感じてから何日経っても来ない。
ステロイドの副作用には、生理不順もあります。きっとこれだったんだと思います。

大丈夫かな、と不安に思っていましたが、退院直前くらいに生理が来て、翌月からもきちんとありました。

ステロイドパルス療法中の症状の感じ方

1クール目(1週間目)

1クールが終わったときは、症状が軽減してるという実感は全くなく、左目の上半分はまだ見えないままでした。

ですが、診察では、目の奥にある診断ポイント(詳しくはわかりませんでした)は改善してきているとのことで、ステロイドの効果はみられていたようです。

2クール目(2週間目)

2クール目の途中から、完全に見えなかった部分の灰色がちょっとずつ薄くなっていくのを感じました。

そこからは早かったです。
2クール目の点滴を終えた翌日頃には、完全に見えるようになったのです!
感激!!!

ステロイドパルス療法で入院中の生活

午前中に看護師さんが検温に来て、点滴のある日は点滴をして、おしまい。

あとはほぼ自由時間ですし、特に制限はありませんでした。

食事は普通食でしたし、シャワーも毎日浴びることができます。(点滴期間中は、点滴の針の部分をラップでぐるぐる巻きにして濡れないようにします)
ただ、ステロイド投与中は高血糖になりやすいため、甘いものは控えたほうがいいかもしれません。

なので、ある意味なにも持っていかなければ暇です!!!(笑)

私は看護師で入院生活がいかに暇かというのを知っていたので、ずっと読めていなかった本を持って行ったり、パソコン使用可だったためパソコンを持っていったり、時間を有効活用するための対策を完璧にしていきました(笑)
目の病気なんやし、ちゃんと目を休めぇやとも思いますが(笑)

退院後

退院後は、ステロイドの内服薬を毎日飲みました。内服する量は、少しずつ減らしていきます。ステロイド薬を急に止めると、副腎不全やショック症状を引き起こす可能性があるからです。
私の場合、1日30mgから始まって、数週間経ったら次は20mg、次は10mg…と医師の指示に従って減らしていきました。
なので、退院してすぐは、数週間に一度診察があります。
私の場合、内服薬が終了して症状の再発などがなくても、3か月後、半年後に診察があるとのこと。

ステロイド内服中、副作用として免疫力が低下し感染しやすくなる心配をしていましたが、退院翌日からバリバリ病院で働きまくっていても何にも感染しませんでした、よかった(笑)

そして先日、半年後の診察を終えました。
特に再発などがなかったため、いったん終診に。
でも、再発する可能性はゼロではない。再発した場合は多発性硬化症の可能性がある。と言われました。
あとは今後再発しないことを願うのみ!

もし、視神経炎ステロイドパルス療法を受けようとしている方がこの記事に辿り着いたら、少しでも参考になればと思います。

以上、ある日突然左目が見えなくなって入院することになったお話でした!